今回は、ゴムのムーニー粘度〜単位と測定方法 について書きたいと思います。
ムーニー粘度とは
ムーニー粘度 とは、生ゴムや未加硫ゴムの素性を測るための単位であり、未加硫ゴムの成形性、流動性を表す指標です。
ゴム組成を理解する上で必要な項目で、全てのゴム材で間違いなく測定されます。
また、生産工程において、添加剤の添加量や、成形条件によって、ムーニー粘度は大きく変化するため、生産工程で問題なく成形できているか、管理される項目にもなります。
その他一般的なゴムのテスト内容は別記事にまとめております。
ムーニー粘度と同じ設備で測定できるスコーチタイムについては、別の記事にまとめております。
ムーニー粘度測定方法
規格
ムーニー粘度測定には、以下規格で評価を行います。
JIS K 6300-1 未加硫ゴム -物理特性- 第1部
ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方
概要
温度制御した円筒状の中空部にゴムを充填し、中の金属ロータを回転させ、軸にかかるト
ルク(ゴムが回転を阻害する抵抗する力)からムーニー粘度を計測します。
JIS規格では、測定温度は100℃、回転数は2回転/min です。
(スコーチタイムは125度で測定することが多いため、その温度に合わせて125℃で測定される場合も多いです)
測定方法
測定方法は、以下の4つのプロセスに分けられます。
- 予熱
- ローター回転開始
- 4分時粘度 測定
- 10分時粘度 測定
予熱
試料を充填させ1分間予熱を行います。
材料を完全に溶解させ、均一な状態にするためです。

ローター回転開始
機械を動作させ、ローターを稼働させます。
この時トルクは大きく立ち上がります。

4分時粘度 測定
ローター回転開始後、4分後の粘度を測定します。
ML(1+4)100℃ と表します。

10分時粘度 測定
ローター回転開始後、10分後の粘度を測定します。
ML(1+10)100℃ と表します。

最後に
今回は、ゴムのムーニー粘度〜単位と測定方法 について書きました。
ゴム材の開発、生産においてムーニー粘度は、ゴムの成形性、流動性を表わす非常に重要な指標になります。
ムーニー粘度と同じ設備で測定することのできるスコーチタイムについては別記事にまとめております。
主に樹脂やゴム材料、材料リサイクルに関してわかりやすくまとめておりますので、皆さんのご参考になれば幸いです。
ゴムや樹脂材料でお困りなことがありましたら気軽にコメントいただければ、分かる範囲でご回答させていただきます。