みなさんは、Freitag(フライターグ)をご存知でしょうか。
Freitagは、使い古された生地からバック•財布•リュックなどを作り販売しているスイスの会社です。
Freitag logo

Freitag Items

Freitagは、他のメーカにはない独自商品であるため、若い人を中心にとても人気のあるブランドです。
私も同じ色の商品が存在しない唯一無二であることや、リサイクルして長く大切に物を使う考え方に共感し、多数のFreitag商品を使用しています。
ただし、Freitagはリサイクル素材を使っているため、商品の特徴でもあるのですが、生地表面に多数の汚れが付着しております。
私はこの汚れがあまり好きではなく、汚れが落とせるのであれば、ある程度洗浄したいと考えておりました。
そこで、私が化学系エンジニアとして働いているバックグラウンドを活かし、Freitagの汚れを落とせる化学薬品を検証しました。
そしてついにFreitagの生地汚れを洗浄し、新品生地のように復元できるようになりました。
(汚れがひどすぎるものについては落とせないものがあります)
今回、Freitagフライターグのバック•財布•リュックの汚れを落とす方法 についてまとめました。
Freitag (フライターグ)洗浄実績
冒頭簡単に、洗浄でどのくらい綺麗になったのかをご紹介します。



洗浄すると見違えるように綺麗になっていることがわかるかと思います。
生地表面に残った黒い汚れを綺麗に除去することができました。
Freitag (フライターグ)とは
Freitag (フライターグ)は、リサイクル素材・再利用活用素材を使用した、バック•財布・リュック等を製造販売するスイスに本社を置く会社です。
Freitag 素材
始まりは1993年のこと。グラフィックデザイナーだったマーカス&ダニエル・フライターグ(Markus&Daniel Freitag)は、作品を持ち運ぶのに最適な、タフで機能的、そして撥水性に優れたバッグを探し求めていました。
当時、彼らの住むアパートの目の前はチューリッヒでも主要な幹線道路で、毎日休まずカラフルなのトラックの群れが通り過ぎていました。
その環境が彼らにインスピレーションを与えます。
2人は使い古されたトラックタープ(幌)、廃棄された自転車のインナーチューブ、そして車のシートベルトを素材に選びメッセンジャーバッグを作り上げました。
最初のFREITAGバッグは、2人が住んでいたアパートのリビングルームでこのように誕生したのです。
すべてのバッグはリサイクル素材を使用した唯一無二のアイテムです。
2014年には、新たにF-ABRICという素材が加わりました。
F-ABRICはFREITAG本社から半径2,500km以内で、最小限のリソースを使用してゼロから開発、製造された靭皮繊維(植物繊維)です。
この生地は丈夫なだけではなく、完全に生分解が可能です。

Freitag 商品
Freitagが製造販売する商品は、バックパック(リュック)をはじめ、財布やポーチ、アクセサリーなど幅広いです。
Freitagの生地はリサイクル素材を使っているため、すべて1品ものであり、同じ生地の色合いのものはありません。


Freitag 商品の課題
私は、Freitagのリサイクルして長く物を使い続け、環境に配慮した暮らしをする 考え方に完全に共感しております。
そして、Freitag (フライターグ)の商品は唯一無二で、どこのメーカにもない独自商品であるため、財布やポーチなど何種類も持っています。
Freitag 商品の課題
そんな素晴らしいFreitagにも1つ課題があります。
それは、私は「できるだけ綺麗な商品を使いたい」ことです。
Freitagの商品は、トラックの帆として何年も使われた素材を再利用しているため、素材表面が汚れております。
※素材表面の洗浄はされていますが、水洗いや弱洗剤では落とせない こびり付いた汚れがあります。
その汚れそのものが Freitag を表しており、
- 汚れがあってこその Freitag
- 汚れがないと Freitag ではない
との声も聞きますが、私個人としては、汚れが落とせるのであれば できるだけ落としたいと考えてしまいます。
Freitag 商品の汚れ
以下の写真は、freitagの人気商品 F07 CHUCKです。
全体的に生地に ”黒ずみ” や ”黄ばみ” がみられます。
※この汚れこそがFreitagの良さであり、Freitagの味である という考えの方が大多数であることは承知しております。

特に汚れている左下側の拡大写真です。

上記商品は、まだ汚れが少ない商品かと思いますが、私はこの程度の汚れでも気になってしまいます。
Freitag 洗浄方法
ここからが、私が化学系エンジニアの仕事を通じて得た知見をもとに、化学薬品を使用して洗浄を行なった方法になります。
Freitag 素材断面
Freitagの素材は、高強度・高靭性であるために、織物繊維に樹脂材料を含浸しております。
Freitag生地の断面図は以下になります。
(断面図 上側が商品の外側表面、下側が商品の内側です)
織物繊維A,Bが生地中央に位置し、両側を樹脂材料でコーティングしている構造です。
織物繊維A,Bが垂直に交わっているため生地が頑丈になっております。
また完全に樹脂でコーティングられているため、水などは中に侵入しない構造です。

Freitag 洗浄方法
生地表面に見える黒ずみ・黄ばみは、基本的には、コーティング樹脂の表面に付着しているだけです。
(まれに汚れが織物繊維間に入り込んでいるものがあり、この汚れがどうしても取れません)
Freitag社がアナウンスしているように、商品販売前に生地の洗浄はなされています。
それでも、取れない 黒ずみ・黄ばみを今回取り除きました。
洗浄の詳細のイメージは以下になります。
黒ずみ・黄ばみ+樹脂材料表面(数μm)を薬品にて落としていきます。

洗浄の流れは以下の通りです。
- 表面の水拭き(脱脂)
- 表面の薬品拭き
- 表面の乾拭き
- 乾燥
表面の水拭き(脱脂)
まず初めに、素材表面の脱脂を行います。
表面に汚れがあると、次工程の薬品拭きでしっかりと汚れが落ちないためです。
表面の薬品拭き
続いて、薬品で表面を拭いていきます。
薬品を柔らかい布(ガーゼ等)に含ませ、軽く表面を擦るように均一に拭います。
この際、薬品のつけすぎや、強く擦ってしまうと、樹脂材料が削れすぎてしまうため、注意深く行いました。
この辺りの作業は、幾つもの商品を洗浄することでスキルを身につけました。
表面の乾拭き
薬品で表面洗浄をした後に、表面の乾拭きを行います。
これにより、薬品の長期浸漬による局所的な樹脂材料の削れを防ぎます。
素材表面に薬品の残りがないようにしっかりと拭き取ります。
乾燥
最後に、室温23℃で半日以上放置します。
完全に薬品を揮発させるためです。
季節により温度は変わりますので、時期により乾燥時間は変わります。
Freitag 洗浄効果
以下が洗浄した写真です。

全体的に黒ずみと黄ばみが取れていることがわかります。
ビフォー・アフター比較は以下になります。

洗浄したことで、汚れがきれいに削ぎ落とせたことがわかるかと思います。
Freitag 洗浄・販売
友人のFreitag(フライターグ)商品を洗浄したところ大変喜んでもらいました。
私の知識・スキルを活用して人に喜んでもらえることがうれしくなり、Freitag洗浄サービスを始めることにしました。
以下、BASEでサービス提供を行なっております。
ご不明点がございましたら本ブログ、或いはリンク先からお問合せください。
全力で皆様の大切なFreitag商品を綺麗にしてお返しいたします。
最後に
今回は、Freitagフライターグのバック•財布•リュックの汚れを落とす方法 についてまとめました。
私はFreitag商品が大好きです。
実店舗のある 東京・大阪・京都にいる時には、時間を作ってFreitag店舗に必ず行きます。
そして、1点しかない物の中から、自分好みのカラーがないか探します。
そんなFreitag好きの私ですが、汚れ過ぎている商品が苦手です。
そこで、私の専門である化学薬品を用いて洗浄の試行錯誤をしました。
その結果、多数のFreitag商品の洗浄を検証することで、とても綺麗に仕上げる方法を明らかにすることができました。
Freitagを綺麗にしたい!と思った方がおりましたら、お気軽にご連絡ください。
その他、生活の中で感じる小さな不満を、自身の化学系(プラスチック材料)エンジニアの専門性を活かし商品を続々開発をしております。
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