今回は、アルミ鋳造工程(金型組立、フラックス処理等) について書きたいと思います。
金型工程の模式図については別記事でまとめています。
鋳造とは
鋳造(ちゅうぞう)は、純度の高い金属原料を熱で溶かし、型に流し入れ「冷やし固める」加工方法です。
型の種類によって、砂を固めて作った砂型、金属を削って作った金型、樹脂型や石膏型などがあります。
型のことを鋳型(いがた)と呼び、鋳造で作ったものを鋳物(いもの)といいます。
鋳造の歴史は古く紀元前4000年ごろから行われ、日本でも弥生時代の銅鐸や、東大寺の大仏などに鋳造の技術が使われています。
鋳造工程
アルミ部品の鋳造工程は以下の通りです。
大きく分けて、以下4つの工程に分けられます。
- 金型工程
- アルミ溶解工程
- 鋳造工程
- 後工程
金型工程
金型工程では、狙いとする製品形状を成形できる金型を作る工程になります。
金型工程の流れは以下の通りで、金型形状の設計をし、金型材料の加工、金型強度UPのための熱処理、そしていくつかに分割して作製した金型の組み立てをします。
詳細は別記事で書いています。
アルミ溶解工程
アルミ溶解工程では、固体のアルミ材料を溶解して鋳造の準備をする工程になります。
アルミ溶解工程の流れは以下の通りです。
インゴットとは、溶かして合金などに使えるような状態になっている地金のことです。
インゴットを溶解した後、フラックス処理をします。
フラックス処理とは、アルミニウム溶湯に存在する酸化物、介在物、水素ガスやアルカリ金属などを除去する目的で行います。
フラックスを溶解したアルミニウムに添加することで、溶湯中の不良原因物質を物理的(吸着)、或いは化学的(化学反応)に取り除くことができます。
その後、保温をして鋳造の準備をします。
鋳造工程
鋳造工程では、金型内に溶解したアルミニウムを流し、形を形成させた後、固化して製品を成形する工程になります。
後工程
後工程では、形作られた鋳造製品を加工する工程になります。
製品端部に発生したバリ取りを行うトリミングや、金型形状の制限により作ることのできなかった穴加工などを行なった後、必要があれば塗装をし、最後に検査を行います。
最後に
今回は、アルミ鋳造工程(金型組立、フラックス処理等) について書いてみました。
アルミ鋳造工程は、樹脂の射出成形とイメージが近く、樹脂材料に精通されている方にとっては、理解しやすいかもしれません。
樹脂材料やゴム材料に関わっている人でも、アルミ材料に関して基礎的な理解をしていて損はないのではないでしょうか。