今回は、ゴム練り工程A練りB練りと練り機(ロール・ニーダー等) についてまとめました。
ゴム成形プロセス
ゴム材料の成形は以下2つのプロセスを経て行われます。
- ゴム練り工程
- 加硫工程
ゴム練り工程
ゴム材料に必要な添加剤を混ぜるプロセスです。
ゴムに補強材としてのカーボンブラックや、オゾン劣化防止のための老化防止剤、ゴム加硫を促進するための加硫促進剤などを混ぜ合わせる工程です。
加硫工程
ゴム練り工程で添加剤を混ぜ合わせたゴムを加硫するプロセスになります。
未加硫のゴムを熱と圧力で加硫させることにより、材料硬度、材料剛性・強度を向上させ、製品として使える状態にします。
加硫工程については、別記事にまとめております。
ゴム練り工程
ゴムの練り工程は、A練りとB練りの2つに分けられます。
- A練り ゴムに添加剤を混ぜ込むこと
- B練り A練り材に加硫材を混ぜ込むこと
A練りB練りの工程は以下のように分けられます。
- A練り(ミキサー練り、ロール練り)
- B練り(ロール・ニーダー練り)

A練り工程(ミキサー練り)
A練り工程(ミキサー練り)の流れは以下7工程に分けられます。
- ゴム投入
- ゴム練り
- 添加剤投入
- ゴム練り
- ラム解放
- ゴム練り
- 排出
A練り工程(ミキサー練り)をフローチャートで表すと以下になります。

ゴム投入
ベースとなるゴム材料を練り機に投入します。
複数のゴムを混ぜる場合には、分割して投入することもあります。

ゴム練り
ゴムのみを練るプロセスになります。
素練りとも呼ばれるプロセスになります。

ゴムの練り状態の評価方法については別記事にまとめております。
添加剤投入
カーボンブラックや老化防止剤など、ゴムに添加する添加剤を投入します。
量が多い場合は分割して投入することもあります。

ゴム練り
ゴムと添加剤を混ぜるプロセスです。
室温の添加剤を混ぜるため、練り始めにおいて、練り機は非常に高トルク状態になります。
添加剤が熱でゴムに溶解していくと、時間と共にトルクは低下していきます。

ゴムの練り状態の評価方法については別記事にまとめております。
ラム解放
練り機中の圧力を解放し、練り機の上部に舞い上がった添加剤を、練り機内に落とします。
これにより添加剤を間違いなく分量通りゴムに練り込みます。

ゴム練り
最後にゴムを練り終了です。

ゴムの練り状態の評価方法については別記事にまとめております。
排出
ミキサー練りで出来上がったゴムの塊を排出します。

A練り工程(ロール練り)
A練り工程(ロール練り)の流れは以下5工程に分けられます。
- 排出材(ゴム塊)準備
- ロール巻付け
- 切返し
- 排出(シート)
- A練り材
A練り工程(ロール練り)をフローチャートで表すと以下になります。

排出材(ゴム塊)準備
ミキサー練りで出来上がった排出材(ゴム塊)を準備します。

ロール巻付け
ロール機にゴムをセットして巻き付けます。

切返し
一通り、ロールにてゴムをシート状に加工したのち、練り方向を変えて再度ロールで練ります。
この工程により、ゴムの練り方向による異方性をなくします。

排出(シート)
ロールで練りシート状に加工したゴムを排出します。

A練り材
これでA練り材の完成です。

B練り工程(ロール・ニーダー練り)
B練り工程(ロール・ニーダー練り)は以下6工程に分けられます。
※以下工程はロール練りの例です
- A練り材準備
- ロール巻付け
- 加硫剤添加
- 切返し
- 排出(シート)
- B練り材
工程のフローチャートは以下になります。

A練り材準備
A練り工程で作製したシート材を準備します。

ロール巻付け
ロール機にA練り材を巻き付けます。

加硫剤添加
A練り材をロールで練りながら老化防止剤を添加します。

切返し
一通り、ロールにてゴムをシート状に加工したのち、練り方向を変えて再度ロールで練ります。
この工程により、ゴムの練り方向による異方性をなくします。

排出(シート)
ロールで練りシート状に加工したゴムを排出します。

B練り材
これにてB練りの完了です。

この後は成形工程に移ります。
成形時に接着させる加硫接着についてはこちらを参考ください。
最後に
今回は、ゴム練り工程A練りB練りと練り機(ロール・ニーダー等) について書いてみました。
成形工程一覧

ゴムの練り工程について分かりやすくまとまっている資料がなかったため、一覧にまとめてみました。
ゴムの成形工程だけではなく、ゴム材料に関することを分かりやすくまとめております。
主に樹脂やゴム材料、材料リサイクルに関してわかりやすくまとめておりますので、皆さんのご参考になれば幸いです。
ゴムや樹脂材料でお困りなことがありましたら気軽にコメントいただければ、分かる範囲でご回答させていただきます。