今回は、原油からナフサを経てプラスチックができるまで についてまとめました。
日常生活で見ない日のない樹脂製品がどのようなプロセスを経て作られているのか イメージすることは難しいです。
そこで今回は、樹脂がどのように原料から作られているのか についてまとめました。
樹脂 成形工程
樹脂製品は、原油を原料にさまざまなプロセスを経て作られます。
生成した樹脂の成形工程について、別の記事にまとめております。
樹脂 生成工程
ここからが本題の樹脂の生成工程になります。
以下4つのプロセスを経て、原料から樹脂材料が生成されます。
- 油田から原油を採掘
- 原油を蒸留工程で分解しナフサを生成
- ナフサを加熱分解してエチレンを生成
- エチレンを重合してポリエチレンを生成
すべてのプロセスをフローチャートに表すと以下になります。

油田から原油を採掘
まず初めに、油田から樹脂の原料となる原油を採掘するところから始まります。

化石燃料の採掘は資源枯渇のリスク、および採掘時のCO2排出が問題視されております。
最近ではバイオ由来の原料から樹脂生成の取り組みは盛んですが、それでも世の中の樹脂材料のほとんどは原油から作られています。
原油を蒸留工程で分解しナフサを生成
採掘した原料を高温度下で蒸留処理をします。

原油を蒸留させることで、樹脂の減量となるナフサを生成します。
ナフサと他の材料との沸点が違うため、ナフサは30〜180℃で分類分けすることができます。
蒸留:混合物を一度蒸発させ、後で再び凝縮させることで、沸点の異なる成分を分離・濃縮する操作
ナフサを加熱分解してエチレンを生成
原油から生成したナフサを加熱分解をして、樹脂材料の元となるエチレン、プロピレンを生成します。

ここでのエチレンとプロピレンはガスであるため、エチレンガス、プロピレンガスとも呼ばれます。
エチレンを重合してポリエチレンを生成
ナフサを加熱分解して得たエチレン・プロピレンを重合させる工程になります。

低分子量のエチレンガス、プロピレンガスを触媒と反応をさせ、高分子量のポリエチレン・ポリプロピレンへ重合反応をさせます。
ここでようやく粉体のポリエチレンを生成することになります。
最後に
今回は、原油からナフサを経てプラスチックができるまで についてまとめました。
これより後の成形工程については、別記事にまとめております。
樹脂材料は、化石燃料から作られているため、限りある試験の枯渇問題や、原油採掘で発生する大量のCO2排出問題など、樹脂材料の環境問題はいまだに解決されておりません。
今後化石燃料を原料とする樹脂から、植物由来の樹脂材料へとシフトが予測されますので、今後は植物由来樹脂の生成工程についてもまとめていきたいと思います。
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