ハイライトとシェードの角度による見え方の違い(鏡面と凹凸面)

ハイライトとシェードの角度による見え方の違い(鏡面と凹凸面) 樹脂 ゴム 材料
ハイライトとシェードの角度による見え方の違い(鏡面と凹凸面)

今回は、 ハイライトとシェードの角度による見え方の違い(鏡面と凹凸面) について書きたいと思います。

製品の色の見え方

すべての物には人間が区別できる色がついております。

髪の毛は黒色・金色・ブラウン色など、フローリングはベージュ色、カエルは緑色など物を見て色味を区別することができます。

そして世の中で製造販売されている製品・商品には、その製品をユーザーに買ってもらうために、きれいなカラーリングをして販売されます。

しかし色の見え方は、単色であっても、人が見る角度や、製品が置かれた光の強度によって変わります。

オンラインショッピングで購入した商品が届いてみたら想像していたカラーとは異なるという経験はあると思います。

なぜ色の見え方が変わるのか?

それはハイライト・シェードという考え方があるからです。

樹脂材料の加飾方法については別の記事にまとめております。

ハイライト・シェードとは

ハイライトとシェードの違いは以下になります。

※光の発生源として太陽を書いておりますが、蛍光との光など光の発生源として考えてください。

ハイライト

ハイライトは、光が物体を照射する入射角Aと、正反射する反射角B側から見る色味のことを指します。

ここでは 入射角A = 反射角B の関係を指します。

製品表面の平滑性によって、反射光の角度や強度は変わります。(この辺りは次項でご説明します)

ハイライト・シェード違い_ハイライト
ハイライト・シェード違い_ハイライト

シェード

シェードは、光が物体を照射する入射角Aと、正反射する反射角Bとは違う角度から見る色味のことを指します。

ハイライトと異なる角度で見ることを総称してシェードと言います。

シェード(shade)は、英語で影・陰という意味であり、光が反射しない角度から製品を見ることを指します。

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ハイライト・シェード 4象限

ハイライトととシェードの考え方について、大きく分けると4つに大別することができます。

細かいことを言うと、人の見る角度は、当然下記のような2箇所だけではなく、無限の角度が存在しますし、成形品の表面についても平滑面と凹凸面という2つの種類だけではなく、凹凸の大きさ(表面荒さ)によって異なります。

平滑面・ハイライト

物体の表面が平滑で、ハイライトで見た時の場合です。

この場合は、太陽の光が最も反射し、光の反射先から人が見るため、最も明るく見えます。

製品の発色を際立たせたいときに、製品表面の平滑性できるだけ高くし、このハイライトの特性を活用します。

フェラーリの光沢のある赤色が際立って見えるのは、この平滑性かつハイライトの特性です。

平滑面・シェード

物体の表面が平滑で、シェードで見た時の場合です。

この場合は、太陽の光が最も一方向に反射するものの、光の反射しない方向とは別の角度から見ているため、4つのパターンで最も暗く見えます。

製品の平滑性が良いほど、ハイライトとシェードで明るさのギャップが大きくなるため、陰影がはっきりするのはこのためです。

凹凸面・ハイライト

物体の表面が凹凸で、ハイライトで見た時の場合です。

この場合は、太陽の光が乱反射するため、ハイライトから見ても色はやや暗く見えます。

製品を発色を持たせてキラキラ見せるよりも、マット調の落ち着いた色を表現したい時に用いられる見せ方です。

Apple製品のMacBookやiphoneは、製品表面に微細な凹凸をつけて落ち着いた色味を表現しているのはこのやり方です。

凹凸面・シェード

物体の表面が凹凸で、シェードで見た時の場合です。

この場合も、太陽の光が乱反射するため、シェードから見ても色はやや暗く見えます。

製品表面の凹凸の大きさにもよりますが、ハイライトとシェードで色の差がほとんどなくなり、どこから見ても同じような色に見えます。

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ハイライト・シェード 重要性

ハイライトとシェードの概念が重要な理由は、以下二つのことから言えます。

  • 明るさ
  • 見る角度

明るさ

ここまで読んでいただいた方は理解されていると思うのですが、製品の見え方は製品の置かれた場所の明るさに左右されます。

特に外で使われる自動車などの製品は、製品の色の見え方が天気によって大きく変わります。

快晴の屋外では、製品の発色性は大きくなり、暗い屋内では発色性は落ちます。

平滑性の高い商品は、外環境の明るさに大きく影響を受けます。

特に平滑性の高い製品をオンラインで商品を購入されるときには、商品が採られた環境(外であれば天気など)を確認することが、間違いのない購買ができます。

見る角度

製品を見る角度による製品の見え方が異なることも理解いただけたかと思います。

平滑面において、入社角と同じ角度で反射する強い反射光だけではなく、多少の乱反射が発生します。

この乱反射は、正反射角度から離れれば離れるほど光の反射量が低減します。

光の反射量の低減に伴い、明るさ(色の発色性)は低減します。

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最後に

今回は、 ハイライトとシェードの角度によってのカラーの見え方 について書きました。

透明樹脂材料への着色方法については別の記事でまとめています。

主に樹脂やゴム材料、材料リサイクルに関してわかりやすくまとめておりますので、皆さんのご参考になれば幸いです。

ゴムや樹脂材料でお困りなことがありましたら気軽にコメントいただければ、分かる範囲でご回答させていただきます。

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