今回は、PP樹脂補強材(タルク.ガラス.ゴム)添加目的と物性補強効果 についてまとめました。
PP樹脂とは
PP樹脂(ポリプロピレン樹脂)は、樹脂材料の中において非常に安価で、物性バランスが良く、成形性に優れているという3つの要因から、家電や自動車向けで広く使われています。
PP樹脂は、ホモPP、ランダムPP、ブロックPPの3種類があります。
各PP樹脂の「弾性率・強度」と「シャルピー衝撃強度」の関係をマッピングすると以下イメージになります。
ホモPP樹脂
ホモPP樹脂は、弾性率・強度に優れるものの、衝撃強度に劣ります。
そのため、衝撃のモードが入る部品には向きません。
また、弾性率や強度を求める部品向けには、PA樹脂(あるいはPA樹脂+補強材)を用いるケースが多いため、製品材料としてホモPP樹脂が使われることは多くありません。
ランダムPP樹脂
ランダムPP樹脂は、ホモPP樹脂と比較して、弾性率・強度に劣るものの、衝撃強度は高くなります。
ランダムPP樹脂でできることは、ブロックPP樹脂で代用できることが多く、製品材料としてランダムPP樹脂が使われることは多くありません。
ブロックPP樹脂
ブロックPP樹脂は、弾性率・強度、衝撃強度ともに優れた材料になります。
ホモPP樹脂の低い衝撃性や、ランダムPP樹脂の低い弾性率・強度のように明確な欠点がありません。
そのため、家電や自動車向けで幅広く使われています。
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PP樹脂の補強材(タルク.ガラス.ゴム)
ブロックPP樹脂がいかに優れているかを説明させていただきましたが、ブロックPP樹脂は用途に分けて補強材でカスタマイズされます。
PP樹脂の補強材で多く使われるのは、「タルク」「グラスファイバー」「ゴム」の3つです。
補強材添加の効果を示したものが以下の表になります。
補強材を添加したブロックPP樹脂の「弾性率・強度」と「シャルピー衝撃強度」の関係をマッピングすると以下イメージになります。
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PP樹脂補強材(タルク.ガラス.ゴム)添加タイミング
PP樹脂には様々な補強材を添加したものが使われます。
樹脂へ補強を添加するタイミングは、粉体のポリプロピレン(PP樹脂)を混ぜ合わせて固体のペレットを作る工程です。
PP樹脂の成形工程のフローチャートは以下です。
樹脂材料の製造工程詳細については、別の記事にまとめております。
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最後に
今回は、PP樹脂補強材(タルク.ガラス.ゴム)添加目的と物性補強効果 についてまとめました。
別記事で、樹脂やゴム材料に関してわかりやすくまとめておりますので、皆さんのご参考になれば幸いです。
ゴムや樹脂材料でお困りなことがありましたら気軽にコメントいただければ、分かる範囲でご回答させていただきます。
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