今回は、樹脂曲げJIS試験の試験条件と計算式(弾性率・強度・ひずみ) についてまとめました。
何か試験をしようと思ったときに、試験条件を確認されますよね。
その時に、オンラインや、紙のJISを見て、試験条件を確認するのがとても面倒ですよね。
そのため、JISから要点だけ抜き取った、樹脂材料の引張り試験方法についてまとめました。
一般的な樹脂材料の試験規格の一覧については、別記事にまとめております。
樹脂の曲げ試験方法
規格
樹脂の曲げ試験規格は、以下の通りです。
規格:JIS K 7171 プラスチックー曲げ特性の求め方
樹脂の引張り試験方法については、別記事でまとめております。
樹脂材料の衝撃試験まとめはこちら
試験機
試験機は、曲げ試験ができる島津製作所のオートグラフが一般的だと思います。
樹脂の一般的な曲げ強度の観点から以下を推奨します。
特殊な樹脂を評価する場合は、一度材料の予想物性を確認の上、ロードセルの選定をしてください。
*ダンベル試験片中央部切り出しサンプル(60x10xt4mm)の場合

試験片
試験片形状は、以下が推奨されています。
本試験片は、ダンベル試験片 タイプAの並行部から切り出したものも使用できます。

試験片は、成形後 23±2℃、湿度50±10% 環境下で、16h以上 状態調節をおこなったものを使用してください。
試験条件
引張試験の試験条件は以下のとおりです。

曲げ速度
上記試験片(80 x 10 x t4mm)を使用する場合は、2mm/min が規定されています。
それ以外の試験片を使用される際には、曲げ速度を揃えて行い、速度差の影響を除く必要があります。
変位計
引張り試験においては、試験片の伸び量を、物理的に挟んで測定する伸び計や、非接触式のカメラにて測定をします。
しかし曲げ試験においての変形量は、装置のストローク量で見ることが一般的です。
樹脂の曲げ試験結果 計算式
曲げ試験で重要な物性は、以下3つです。
- 曲げ応力
- 曲げひずみ
- 曲げ弾性率
樹脂の曲げ試験結果の計算式は以下になります。

曲げ試験においては、応力を算出する曲げ応力と、ひずみを算出する曲げひずみ、曲げ弾性率の3つの計算式を抑えておけば問題ないです。
曲げ試験は、引張り試験と、応力とひずみの算出式が異なるため、注意が必要です。
最後に
今回は、 樹脂曲げJIS試験の試験条件と計算式(弾性率・強度・ひずみ)についてまとめました。
久しぶりに試験を行う際に、毎回JISを見直すことが面倒だった経験があり、またオンラインにこういったまとめた情報がなかったため今回記事にしてみました。
主に樹脂やゴム材料、材料リサイクルに関してわかりやすくまとめておりますので、皆さんのご参考になれば幸いです。
ゴムや樹脂材料でお困りなことがありましたら気軽にコメントいただければ、分かる範囲でご回答させていただきます。