今回は、樹脂の加飾方法のメリット・デメリット について書きたいと思います。
加飾とは
プラスチック製品は、外観性を良くするため、一般的に塗装など製品表面に着色をします。
プラスチック自体の色は、材料の種類にもよりますが、乳白色や透明です。
商品性の観点から、プラスチックに何も加飾をしないで製品化をする例はほとんどありません。
通常はプラスチックを製品化をする上で、何かしら材料に加飾をします。
プラスチックの作り方については、別記事でわかりやすくまとめております。
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樹脂 加飾方法
樹脂の加飾方法は、大きく分けて3つあります。
- 塗装
- 材料着色（材着・原着）
- マスターバッチ（MB）着色
樹脂の加飾方法（成形プロセス）の詳細は別の記事にわかりやすくまとめております。
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樹脂 加飾品詳細
以下、3種類の加飾方法で作製したプラスチック製品の断面イメージは以下になります。
- 塗装
- 材料着色（材着・原着）
- マスターバッチ（MB）着色
塗装
塗装品の製品断面図は以下のようになります。
PP樹脂の色（乳白色や透明色）の上に、塗料の塗膜（ここでは青色部品を想定）で加飾をしています。
そのため、塗膜を引掻いたり、塗膜に傷が入ると、樹脂の乳白色が見えてしまいます。
材料着色
材料着色品の製品断面図は以下のようになります。
材料着色は、材料自体に色がついているため、製品断面は着色した色一色になります。（ここでは青色部品を想定）
つまり製品表面を引掻いたり、表面に傷が入っても表面の色は変わりません。
マスターバッチ着色
マスターバッチ着色品の製品断面図は以下のようになります。
マスターバッチ着色についても、材料着色と同じで、製品断面は、マスターバッチで着色した色一色になります。（ここではダークグレー色を想定）
つまり製品表面を引掻いたり、表面に傷が入っても表面の色は変わりません。
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加飾手法 メリット・デメリット
各加飾方法のメリット・デメリットをまとめました。
塗装
塗装は、樹脂に限らずどんな材料に対しても用いることができます。
塗装の最大のメリットは、カラー種（カラーバリエーション）の多さと、カラー色彩の鮮やかさです。
一方で、塗装プロセスが必要なため、コストは高くなり、また塗装工程で大量のCO2を排出することからエコではありません。
高価格製品や、製品性を高めたい商品には最適な加飾方法です。
材料着色
材料着色のメリットは、塗装と比較して安価で、塗装ブースを使わないためエコである点です。
ただし、材料着色した材料の色の色彩はベース樹脂の透明性に左右されるため、材料着色向けに使用できる樹脂は限定的です。
（濁った絵の具に、どれだけきれいな絵の具を足しても、混ぜ合わせた絵の具はきれいな色にならないイメージと同じです）
マスターバッチ加飾
マスターバッチ加飾のメリットは、材料着色と同じで、塗装と比較して安価で、塗装ブースを使わないためエコである点です。
ただし、一般的にマスターバッチ加飾のコンセプトは、大量生産のものをより賢く加飾することであるため、カラーは黒系のみで限定的です。
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最後に
今回は、樹脂の加飾方法のメリットデメリット について書いてみました。
世の中にあるほとんどの製品が塗装によって加飾されています。
しかし、最近のエコの流れにより、CO2を大量に排出する塗装工程の改善や見直しが起こっております。
そのため今後ますます塗装をしない製品が生み出されていくことと感じております。
本記事が皆様のご参考になれば幸いです。
別記事に樹脂の加飾方法の工程フローチャートをまとめております。
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